オーストラリアのメルボルン大学(University of Melbourne)は8月13日、分析機器等を製造する企業トレイジャン・サイエンティフィック・アンド・メディカル(Trajan Scientific and Medical)と共同で、ダイヤモンドを用いた痛みの少ない採血針を開発すると発表した。
この研究は、高等教育機関と産業界の連携を推進するオーストラリア研究会議(ARC)の助成金制度「リンケージプログラム(Linkage Program)」の支援を得て実施される。
同大学物理学科のスティーブン・プラワー(Steven Prawer)教授とトレイジャン・サイエンティフィックのアンドリュー・グーリー(Andrew Gooley)教授が共同で、患者に与える痛みと侵襲性を最小限に抑えながら、診断とモニタリングの効率性を最大限に高める、ダイヤモンドを用いた極小針(マイクロニードル)技術の開発を目指す。
マイクロニードルを用いた採血器具のメリットは、採血による傷を軽減できることに加え、血液検査技師による作業を不要にし、コスト効率の高いポイントオブケア(point-of-care)診断を可能にできる点にある。
メルボルン大学は、今回の研究がオーストラリアの医療用品業界の成長につながることに期待すると表明した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部