オーストラリア産業・科学・エネルギー資源省の発表(2021年3月26日)によると、同国ビクトリア州の施設で、石炭ガス化技術を使用して水素を生成する、水素エネルギーサプライチェーン(HESC)パイロットプロジェクトが3月、操業を開始した。HESCプロジェクトは、同州ラトロブバレーで褐炭のガス化によって水素ガスを生成し、同州ヘイスティングス港で液化し、日本の神戸市に輸送して液化水素の試験出荷を行う実証事業で、2018年から日豪政府・企業が支援している。
オーストラリア政府は2019年に国家水素戦略( National Hydrogen Strategy )を発表、水素を政府の低排出技術開発における優先技術と位置づける。水素生産と液化の成功は、オーストラリア水素産業界における重要な進展とみられている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部