2021年06月
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AI等5つの科学技術分野に4年間で1億ドルを投資 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は5月11日、同国の新型コロナウイルスからの復興を助け将来に向けた強靭性(resilience)を強化することを目的に、以下の5つの成長分野に対し、今後4年間で総額1億豪ドル(約85億円)以上の投資を行うことを発表した。

  • バイオ医薬品製造:国内企業と協力した開発・生産能力の強化とバイオ医学研究の商用化
  • デジタル製造:AI(人工知能)、自動化、ロボット、IoT(通信でつながるモノのインターネット)、データアナリティクス、サイバーセキュリティ等のデジタル技術を活用した製造業の発展に向けた専門知識や研究、設備の提供
  • デジタル医療:世界的に評価の高いCSIROの専門知識を活かした医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)の促進や、特に弱い立場にある患者のケアの改善
  • AI:AIを活用した干ばつ、食料供給源の確保、水素産業の育成といった国内の大規模な課題解決に関する研究や、国立AIセンター(National AI Centre)を設立し、国内のAI専門人材の育成、企業のAI導入の支援
  • 新興技術:量子技術や微生物の活用等、最先端分野の研究への投資

CSIROの最高責任者であるラリー・マーシャル(Larry Marshal)博士は、「パンデミックを通じたオーストラリアの経験から、科学が困難な課題へのすばらしい解決策を与えてくれることがわかった」といい、「世界がかつてない破壊(disruption)に直面している今こそ、大胆な行動を起こすチャンスだ」と、イノベーションへの期待を表明した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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