2021年06月
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アストラゼネカ製ワクチンの前臨床評価で有意性 豪CSIRO、研究結果発表

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は5月10日、英オクスフォード大学と英アストラゼネカが共同開発している新型コロナウイルスのワクチンに関し、2020年前半に実施した小動物のフェレットを用いた前臨床評価の結果をまとめた査読済み論文をオンライン科学誌npj Vaccinesに発表した。

写真提供:CSIRO

この試験は、CSIROが国際機関の感染症流行対策イノベーション連合(Coalition for Epidemic Preparedness Innovations)と共同で実施したものである。

この試験ではワクチンをフェレットに筋肉内注射か経鼻投与で1回~2回投与した際の有効性を検証し、以下のような結果を得た。

  • ワクチンによって強い免疫反応が引き起こされた。
  • ワクチンを投与した群の鼻と口から採取した検体中のウイルス量が、対照群と比較して有意に少なかった。
  • 経鼻投与によりワクチンの有効性がさらに増加する可能性がある。
  • 試験中、ワクチン投与による血栓やその他の有害事象はみられなかった。

CSIROの健康・バイオセキュリティー部門を率いるロブ・グレンフェル(Rob Grenfell)博士は、CSIROの研究者はパンデミックの発生初期に迅速に対応できたことを誇りに思っており、この前臨床評価結果の情報が「世界で現在進行している新型コロナウイルスの研究とワクチン開発の助けになることを願っている」と表明した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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