2021年07月
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コロナワクチンで世界の3億人を追跡調査へ オークランド大学

ニュージーランドのオークランド大学は5月21日、同大学が全額出資する非営利団体「ユニサービシーズ(UniServices)」が、過去最大規模の新型コロナウイルスワクチンのモニタリング調査を主導すると発表した。

同団体はこの調査について、米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)から560万米ドル(約6億2000万円)の助成金を授与されている得ている。

調査では国際非営利組織「世界ワクチンデータネットワーク(Global Vaccine Data Network: GVDN)」が、世界各地で3年間にわたり、約3億人を追跡して、新型コロナウイルスのワクチンのモニタリングと評価を行う。

GVDNは多様な人々のデータを含む複数のワクチンのデータを共通のプロトコルを用いて比較し、接種後の入院や有害事象の評価を行う。膨大なデータを用いることで、極めてまれな事象の評価も可能になるという。

プロジェクトリーダーは、世界保健機関(WHO)のワクチン安全性諮問委員会(Global Advisory Committee on Vaccine Safety)の委員長を務めたワクチン研究者、ヘレン・ペトゥシス・ハリス(Helen Petousis-Harris)氏が務める。

医学・保健科学部の学部長、ジョン・フレイザー(John Fraser)教授は、ニュージーランドが世界に先行するパンデミック対応により科学への取り組みを示すことができたといい、この調査を通じ、ワクチンのモニタリングにおいてもリーダーになり得るとしている。

プロジェクトリーダーのヘレン・ペトゥシス・ハリス氏(左から4人目)ら (写真提供:オークランド大学)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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