2021年07月
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豪州の水素産業の発展を促すミッションを立ち上げ CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は5月26日、同国のクリーン水素産業の育成に向けたプロジェクトや産官学の共同研究を支援する「水素産業ミッション(Hydrogen Industry Mission)」を立ち上げた。

CSIRO、政府、研究機関や産業界のパートナーが総額6,800万豪ドル(約57億円)以上を投資し、生産・流通コストの低下、温室効果ガス排出量の削減、雇用創出等を焦点に、水素産業の育成を支援する。

モリソン豪政権は低排出技術の発展に向けた「技術投資ロードマップ(Technology Investment Roadmap)」の優先項目の1つに水素を掲げ、クリーンな方法による水素生産のコストを1 キロあたり2豪ドルまで下げることを目標としている。

アンガス・テイラー(Angus Taylor)エネルギー・排出削減担当相は、オーストラリアは「水素の世界的リーダー」になることができるとし、このミッションはクリーンで競争力ある水素産業の育成に向けた新たな一歩であると強調した。また、同相は「2050年までに8,000人の新規雇用と年間110億豪ドルの国内総生産(GDP)」を生み出す経済効果にも言及した。

クリスチャン・ポーター(Christian Porter)産業・科学・技術相は、CSIROには政府、大学、産業界、地域社会の連携を促進してきた優れた実績があると述べ、水素の低コスト化に向けたサプライチェーン全体の効率化には研究開発が重要であるとの考えを示した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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