オーストラリア政府は6月18日、「人工知能行動計画(AI Action Plan)」を発表し、信頼性と安全性の高いAIの開発と導入における世界のリーダーになり、全国民がAI社会の恩恵を共有できるようにするための行動を提案した。
計画では以下の目標に関する4つの重点領域を提示している。
- AIの開発と導入を支援し、雇用創出と生産性向上につなげる
- 世界水準の人材と専門知識を育成、誘致する
- オーストラリアの世界有数のAI能力を、国家的課題の解決や全国民への利益のために活用する
- AI技術が、信頼性が高く包括的(inclusive)で、オーストラリアの価値観を反映するものとなるようにする
この行動計画は、2030年までに先進的なデジタル経済を実現することを目標とした政府のデジタルエコノミー戦略(Digital Economy Strategy)の柱の1つとなる。
- この計画に関し、政府はオーストラリアのAI能力の構築に関する以下のような活動に、総額1億2,410万豪ドル(約136億円)を投資する。
- 国立AIセンター(National AI Centre)と4つのAI・デジタル能力センター(AI and Digital Capability Centre)の創設(4年間で5,380万豪ドル)。
- 国内企業と政府の連携によるAIパイロットプロジェクトの支援(4年間で3,370万豪ドル)。
- 大卒者を対象とした次世代AI人材プログラム(Next Generation AI Graduates Program)(6年間で2,470万豪ドル)。
- 地域でのAI活用機会を支援するプログラム(AI Opportunity in our Regions)の促進(5年間で1,200万豪ドル)。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部