2021年08月
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新型コロナの治療薬候補発見へ100万豪ドル投資 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は7月1日、新型コロナウイルス感染症の後遺症(long-COVID)を含む治療薬を発見するための、170万豪ドル(約1億4000万円)のプロジェクトを主導すると発表した。豪政府が100万豪ドルを出資し、残りをCSIROが負担する。

既存の医薬品の中から新型コロナ治療薬の候補を迅速に見つけ出すためのスクリーニング方法を開発する。このほか、オーストラリア医療製品管理局(Therapeutic Goods Administration: TGA)や米国食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)の承認を取得済みで、第2相・第3相治験に進めることができる治療薬候補を1年以内に同定することを目標としている。

プロジェクトを率いるCSIROの科学者、S.S.ヴァサン(S.S. Vasan)博士は、ワクチンに加え、新型コロナウイルスを特異的に標的とする、安全、効果的、安価な治療薬も至急必要とされていると語る。治療薬を見つけるには、他の疾患用に既に承認されている医薬品を転用する方法が有用だが、現行の手法は時間と費用がかかり、目的に適っていないという。

そこで、このプロジェクトでは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とその変異株による感染症に特化した、ヒトの組織を用いた医薬品スクリーニングツールを開発する。新型コロナ感染との関連性に基づき、下気道、肺、神経、心臓の4種類の組織を使用する。システム生物学や機械学習の手法を用いて、重要なヒト組織の健康な状態と病気にかかった状態を識別し、特定の医薬品が病変組織を健康な状態に戻すことができるかどうかを判断するという。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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