2021年08月
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水素産業の国際共同RD&Dへ500万豪ドル支援 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は7月7日、国内外の研究機関や企業による共同研究・開発・実証(research, development and demonstration: RD&D)を支援し、オーストラリアの水素産業の発展を促進することを目的とした500万豪ドル(約4億円)のプログラムを発表した。

「水素RD&D国際協力プログラム(Hydrogen RD&D International Collaboration Program)」と名付けられたこの2年間のプログラムは、CSIROが最近立ち上げた「水素産業ミッション(Hydrogen Industry Mission)の重要な要素となる。このミッションは、オーストラリアの水素生産コストを、1 キログラム当たり2豪ドルまで下げることを目標に、政府、産業、研究の各部門の連携を促すものである。

このプログラムでは、以下のような活動を計画している。

  • 変革的なクリーン水素ソリューションの実現に向け、産業界と研究コミュニティの連携を拡大する
  • クリーン水素輸出への道筋を築く取り組みを後押しするため、国内外の研究・産業パートナーシップを構築、強化する
  • 水素のバリューチェーンの全段階における価値付加とコスト低減に向け、国内の低排出技術の開発を推進する
  • クリーン水素産業に関する国内外の機会に対応するための能力とソリューションを開発する

水素産業ミッションを率いるパトリック・ハートレー(Patrick Hartley)博士は、ビジネス、研究、政治のあらゆる方面でクリーン水素活用への勢いが高まっていることを指摘したうえで、CSIROはこの新たな機会を活用して、排出量実質ゼロ(net zero emissions)に向けた転換を実現できる絶好の立場にあると自信を見せた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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