オーストラリア産業・科学・エネルギー資源省(Department of Industry, Science, Energy and Resources)は7月19日、宇宙開発企業サザンローンチ(Southern Launch)が、オーストラリア宇宙庁(Australian Space Agency)から、国内2カ所目となる発射施設運用許可(launch facility licence)を取得したと発表した。対象の打ち上げ施設はオーストラリア南部の都市アデレードから約680 キロメートル西のホエラーズウェイ(Whalers Way)に位置する。
サザンローンチ社はこの許可を取得したことにより、軌道(orbital)ロケットの打ち上げも見据えた準軌道(suborbital)ロケットの試験施設を設置できる。 宇宙庁のエンリコ・パレルモ(Enrico Palermo)長官は同施設の運用許可について、成熟しつつあるオーストラリアの打ち上げ能力を如実に示すものであると指摘し、「オーストラリアの民間宇宙産業は日々勢いを増しており、民間投資や関連する雇用創出も拡大している」と語った。
同発射施設ではまず、最大3台の準軌道ロケットの試験発射を計画している。その後、この試験で得たデータを用いて環境への影響を評価し、準軌道および軌道ロケットの発射施設としての実現可能性を検討する。
サザンローンチ社は2021年4月、コーニバ(Koonibba)に位置する試験場に対して、オーストラリアで最初の発射施設運用許可を取得している。
オーストラリア南部の打ち上げ施設(写真提供:オーストラリア産業・科学・エネルギー資源省)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部