2021年10月
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入国制限による新型コロナの感染抑制効果で予測モデルを開発 CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、入国制限が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止に与えた効果を推定するモデル化手法を開発した。8月25日に発表した。研究の成果は学術誌 BMC Public Health に掲載された。

CSIROとクイーンズランド工科大学(QUT)が共同で開発したこのモデルは、入国者数出発国の感染率 のデータに基づき、各航空便に搭乗していた可能性のある感染者数を予測できる。

この手法を用いてオーストラリア政府が2020年1月~6月に実施した入国制限措置を評価したところ、入国するCOVID-19感染者の数を88%削減できたという結果が出た。

CSIROのジェス・リービッヒ(Jess Liebig)博士によると、このモデルにより、「入国制限が実施されていなければ4万8,000人を超える感染者が入国していた可能性があるが、入国制限により推定6,000人にまで抑えられた」という。 リービッヒ博士は、政府機関が渡航制限や国境開放に関する意思決定を行う際にこのモデルが役立つと期待する。

QUTのラジャ・ ジュルダク(Raja Jurdak)教授は、このモデルについて、世界各国から特定の国に入国するCOVID-19感染者の数を予測する初めての手法だとし、「渡航制限の効果は規制対象の国によって大きく異なり、帰国する国民や居住者の行動にも左右される」とも指摘した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部