オーストラリア連邦政府は、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の新理事長にキャスリン・ファグ(Kathryn Fagg)氏が任命されたと発表した。10月15日付。ファグ氏はエンジニアであり、数々の企業で重役を務めた経歴を持つ。
ファグ氏は副理事長より昇進。10月14日に退任したデイビッド・ソディー(David Thodey)前理事長の後任として、5年間の任期に就く。
ファグ氏の就任により、オーストラリア海洋科学研究所(AIMS)、オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)、CSIROという3つの国立科学機構のトップを同時期に国内で初めて女性が務めることとなる。
ファグ氏はオーストラリア、ニュージーランド、アジア等の幅広い業界で企業の上級管理職を歴任し、2013年から2018年までオーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia)の理事を務めた。
人事を発表した同国のメリッサ・プライス(Melissa Price)産業・科学相(Minister for Science and Technology)は「新型コロナウイルス禍からの復興に向けて重要な役割を果たすCSIROにおいて、安定をもたらし、強い指揮力を発揮している 」とファグ氏を高く評価し、「科学・技術・工学・数学(STEM)でのキャリアを志す若い女性の良き指導者となっている」 とジェンダー平等に向けた同氏の取り組みも強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部