オーストラリア産業・科学・エネルギー資源省(Department of Industry, Science, Energy and Resources)は10月21日~22日に、米国国務省及び首都キャンベラの米国大使館と、インド太平洋地域でのAI(人工知能)の責任ある利用に関するオンラインワークショップを開催したと発表した。
AIが自動設計する頭蓋骨インプラントのイメージ (写真提供:CSIRO ©Belekekin)
シンギュラー・ヘルス社は、既存の手術計画支援ソフトウェアにAIを統合し、頭蓋骨インプラントを3Dプリントする前に修正や確認を行えるようにした。このツールを、臨床現場での比較試験に基づきオステオポア社が検証する。試験では、既存の頭蓋骨インプラント設計プロセスと新しいプロセスの精度や所要時間を比較する。
このプロジェクトには、オーストラリアの革新的なスタートアップや小企業にCSIROの専門知識や研究能力を提供する「CSIROキックスタート( Kick-Start)」プログラムから、5万豪ドル相当の助成が提供される。
シンギュラー・ヘルス社は以前にも「キックスタート」プログラムの支援を受け、高い精度で脊髄の分節を特定するAIモデルを開発している。
頭蓋骨の形は非常に複雑であるため、シンギュラー・ヘルス社は、3Dプリントで複雑な形状に対応し、骨の再生も可能にするオステオポア社の最先端生体吸収型インプラント技術に大きな期待を寄せている。また、今回のプロジェクトを通じてオステオポア社との間に相乗効果が生まれ、実用化に向けた将来の協業につながると考えている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部