2022年01月
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量子技術のイノベーションでの協力で共同声明発表 豪・米両国

オーストラリア政府と米国政府は、量子技術のイノベーションと商用化に向けた協力に関する共同声明(Joint Statement on Cooperation in Quantum Science and Technology)に署名した。2021年11月19日付。市場アクセスの向上や知識共有を通じて両国の量子産業の能力を強化することを目指す。

(写真提供:オーストラリア産業・科学・エネルギー資源省)

同声明では、両国の経済・戦略面での協力体制と、「開かれた、包摂的で強靭なインド太平洋地域」という共通の目標を確認した。また、量子技術は「より強力なコンピューター、高性能な通信ネットワーク、高精度なセンサーを実現する重要な新興技術」であるとの認識の下、「活気があり、安全で信頼でき、相互に連携した量子エコシステムという共通のビジョンを推し進める」としている。合意された主な内容は以下の通り。

1. 協力の目的と範囲

この共同声明の目的は、オーストラリアと米国のパートナーシップを促進し、協力を実現することであり、主に以下のような活動を意図している。

  • 量子技術の新たな理論的・実用的な利用方法の探索
  • 量子技術に関する共同研究、開発、技術交流の促進
  • 量子の世界市場と安全な供給網の構築
  • 量子産業の拡大や量子関連のバリューチェーンへの参入促進に向けた機会の開放
  • 共通の経済繁栄と安全保障の促進
  • 国家保安上機密性の高い技術の保護
  • 相互に利益をもたらす技術交流や人材開発の支援
  • 量子技術に関する規格の共同策定
  • 科学技術に関する既存の二国間・多国間協力の活用

2. 協力の方法

  • 既存の二国間協力体制における量子への注力
  • 量子技術に関する政府高官会議の定期開催
  • 本声明の特定の項目に関する実務レベルの会議の開催

本声明は、量子に関する科学研究、技術、イノベーションに関する協力を強化することにより、両国の友好関係や理解をさらに深め、経済を強化し、世界の科学技術に関する国際的な知識の構築に寄与できるとしている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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