オーストラリアのメルボルン大学(University of Melbourne)は3月11日、イタリアと共同で開発中の小型衛星「SpIRIT(Space Industry Responsive Intelligent Thermal)キューブサット」を、宇宙最大の爆発現象であるガンマ線バースト(Gamma ray bursts)の観測を目的として2023年に打ち上げる予定だと発表した。
衛星の設計と構築は、同大学内に開設されたMelbourne Space Laboratory が率いる共同事業体が行う。同研究所はSpIRITの開発資金として豪政府の産業・科学・エネルギー資源省(Industry, Science, Energy and Resources)から400万豪ドル(約3億7000万円)を授与されている。共同事業体にはオーストラリアの企業やイタリア宇宙機関(Italian Space Agency)が参加する。
同研究所の所長を務めるマイケル・トレンティ(Michele Trenti)教授によると、チームはイタリア宇宙機関(Italian Space Agency)から小型X線望遠鏡の「HERMES」を受け入れる準備を進めているという。
「HERMESが誇るマイクロ秒の時間分解能により、SpIRITは宇宙爆発の最初の瞬間をとらえ、星の最期の様子を理解することに役立つだろう」とトレンティ教授は語った。
SpIRITは既に詳細設計審査(Critical Design Review) に合格し、数カ月以内に最終組立・統合・試験段階に入る予定だという。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部