オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)は4月12日、連邦議会総選挙に向け、オンラインの誤情報対策を専門とする同大学の研究機関「FactLab」が、最先端のデジタル解析技術を用いて選挙運動期間中の偽情報・誤情報を追跡すると発表した。
FactLabはこの「モザイクプロジェクト(Mosaic Project)を、ジャーナリスト向けの教育プログラム等を提供しているJudith Nielsen Institute for Journalism(JNI)、英国のシンクタンク「戦略対話研究所(ISD)」と共同で実施する。
オンライン上の誤情報や過激思想への対処を専門とするISDによる最先端のデータアナリティクス・オープンソースインテリジェンス技術を用いて、議員や国内外の政治アクター、過激派団体等の行動を監視し、選挙の妨害につながるオンラインでの偽情報の拡散や操作をリアルタイムで見つけ出す。
発見された誤情報は、有権者や報道機関が確認できるよう、FactLabがニュースレターやオープンソースのデジタルプラットフォームに公開する。
FactLabのラッセル・スケルトン(Russell Skelton)所長は、国民がソーシャルメディア、特にフェイスブック(Facebook)とインスタグラム(Instagram)からかつてないほど大量の情報を受け取っていることを考えると、選挙運動期間中のうそや誤解を招く情報を明らかにすることは、健全な民主主義に不可欠であると述べた。
FactLabはこのプロジェクトへの参加に先立ち、3月に、米国メタ(Meta)と誤情報対策で連携すると発表していた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部