2022年09月
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超新星残骸の画像の生成に成功―最新スパコン「セトニクス」 オーストラリア

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、西オーストラリア州パースのポージー・スーパーコンピューティング研究センター(Pawsey Supercomputing Research Centre)に設置されたオーストラリアの最新スーパーコンピューター「セトニクス(Setonix)」が、超新星残骸の詳細な画像の生成に成功したと発表した。8月9日付け。

画像を生成するために使用したデータは同州の先住民居住地区にあるCSIROのASKAP電波望遠鏡から収集され、高速光ファイバーによりポージー研究センターに転送された。ASKAPのデータ処理チームは、新たなセトニクスのシステムが利用できるようになってから24時間以内に新システムへの処理パイプラインの統合を開始した。

最新スーパーコンピューター「セトニクス(Setonix)」
(© Pawsey Supercomputing Centre)

(ASKAP電波望遠鏡)

ポージー・スーパーコンピューティング研究センター
(Credit: Pawsey Supercomputing Centre)

(提供:いずれもCSIRO)

セトニクスは7,000万豪ドル(約66億円)を投じた同センターの設備アップグレードの主要部分として、2段階に分けて設置される。第1段階に続いて、2022年以内に第2段階も完了を予定している。

ポージー研究センターのパスカル・エラヒ(Pascal Elahi)博士は、第1段階のセトニクスの展開によって同センターの計算能力が45%向上したとし、「ASKAPの掃天観測データの処理は、セトニクスの負荷試験を行うのに非常に良い方法である」と語った。ASKAPではセトニクスのデータ処理を用いた大規模な掃天観測を計画しており、現在パイロット調査を行っている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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