2023年01月
トップ  > 大洋州科学技術ニュース> 2023年01月

オーストラリアの「Setonix」、世界で最も環境に優しいスパコンの1つに

オーストラリアのポージー・スーパーコンピューティング研究センター(Pawsey Supercomputing Research Center)は、同センター所有の最新スーパーコンピューターの「セトニクス(Setonix)」が、世界で最も環境に優しいスーパーコンピューターの1つとして認められ、世界のGreen500コンピューターのトップ5に入ったことを発表した。

セトニクスのランク入りは、2023年初めに研究者利用のための準備が完全に整うと、電波天文学、エネルギー資源、エンジニアリング、バイオインフォマティクス、健康科学、気候科学などの分野で大きな影響を与える研究が可能となり、環境への影響を軽減することを意味する。

このランクは、テキサスで開催された国際スーパーコンピューティング会議であるSC22で発表された。このランクにより、セトニクスは同じコンピューティングアーキテクチャを持つエクサスケール・スーパーコンピューターである米国のFrontierおよびフィンランドのLUMIの仲間となった。

西オーストラリア州のワジャリ・カントリーに所在するCSIROのASKAP電波望遠鏡を使用して捉えられた超新星の残骸が、セトニクスを利用することで非常に詳細な画像として生成された。これは世界で初めてのことである。

西オーストラリア州で人気のある有袋類であるクオッカワラビー(Setonix brachyurus)にちなんで名づけられたセトニクスは、人間ならば15億年かかる計算を優に1秒で実行可能な計算能力を持つ。8キャビネットのHPE Cray EXシステムであり、217,088個のAMDコンピューターコア、768個の画像処理コア、および合計1792個の計算ノードを持つ。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る