オーストラリア研究会議励起子科学分野のセンター・オブ・エクセレンス(ARC Centre of Excellence in Exciton Science)は、同国のニューサウスウェールズ大学(UNSW Sydney)と欧州のエアバス社(Airbus Defence and Space)が、宇宙で使用するための高効率な太陽電池の開発に向けた共同研究を行うと発表した。
(提供:ARC Centre of Excellence in Exciton Science)
研究プロジェクトは、同センターに所属するUNSW Sydneyのニコラス・イーキンズ・ドークス(Nicholas Ekins-Daukes)准教授が主導する。UNSW Sydneyを拠点として3年半の期間で実施され、効率性と放射線安定性の面で宇宙用太陽電池の性能を最大限まで高めることを目指す。
同准教授は以前、宇宙環境での太陽光発電に有用な可能性のある、ナノ構造の歪み補償(strain-balanced)太陽光吸収体を開発している。
今回のプロジェクトでは、通常のシリコン太陽電池よりも効率的な運用が可能な、太陽光スペクトルの異なる部分を選択的に吸収する複数の半導体層から成る太陽電池に焦点を当てる。同准教授は「高効率な太陽電池に関する我々の研究は、宇宙機の運用寿命を延ばし、軽量で低コストの太陽電池アレイの実現につながる可能性がある」としている。
2022年12月13日付け発表
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部