オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は1月24日、同機構が開発した「ロボット化チェレンコフ光監視装置(Robotized Cherenkov Viewing Device:RCVD)」が、近い将来、世界中の使用済み核燃料の保障措置(safeguarding)において重要な役割を果たす可能性があると発表した。
装置を囲むCSIROの研究チームのメンバーら
RCVDは、CSIROのデータ・デジタル専門家部門Data61とハンガリーのロボット企業データスタート(Datastart)、国際原子力機関(IAEA)が共同で開発した。既に南米の運転中の原子力発電施設での試験に成功している。
CSIROの技術プログラムマネージャー、ロージー・アトウェル(Rosie Attwell)氏は、「この試験は、自律型ロボットが近いうちに使用済み核燃料の現地測定と分析を支援し、人間の作業者の安全性を大きく向上させられるかもしれないことを示している」と語った。
使用済み燃料訓練中のIAEA査察官
検査するIAEAの査察官ら
(提供:いずれもCSIRO)
浮体式装置であるRCVDは、燃料プール上を自律的に移動して燃料集合体のリアルタイムのマップを作成し、集合体の位置と特徴を解析して燃料が除去されたり置き換えられたりした場合の検出を可能にする。プロトタイプの試験は引き続き行われ、開発の次の段階では自律性を高めるためのコンピュータービジョンの搭載が計画されている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部