オーストラリア(豪州)のディーキン大学(Deakin University)は1月18日、同大学の研究者らが、同国の過体重と肥満の管理に関する診療ガイドラインの見直しと改訂を主導すると発表した。
豪州の肥満率は世界でも上位に入り、成人の3人に1人、子どもの4人に1人が過体重または肥満の状態にある。国立保健医療研究評議会(NHMRC)が2010年に発表したこのガイドライン( Clinical Practice Guidelines for the Management of Overweight and Obesity for Adults, Adolescents and Children in Australia )は、同国の総合診療医(GP)やプライマリヘルスケアに従事する看護師等に使用されてきた。
今回、複数の専門分野の研究者から成るプロジェクトチームは、豪州政府の出資を受け、ガイドラインが肥満を有する人々やその家族、臨床家の実情に沿ったものとなるよう、政府の推奨事項を含む最新のエビデンスとベストプラクティスに基づき改訂を行う。
プロジェクトの学術主任(Academic Lead)を務めるジュディ・ポーター(Judi Porter)教授(栄養学)は、「この作業は国民が最適なケアを適切なタイミングで受けられるようにするために不可欠なものとなる。行動療法への多職種連携アプローチや薬物療法に関するエビデンスが強化される等、過体重または肥満と共に生きる人々のケアに関しては、ここ10年間で多くの変化があった」と語る。
同大学は、リサーチオーストラリア(Research Australia)による報告書で豪州の肥満研究機関トップ5にランクインしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部