オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は2月17日、米スペースX(SpaceX)と、同社の宇宙ミッションの支援に向けた5年間の契約を締結したと発表した。
この契約の下でCSIROは、スペースX社の一部のミッションにおいて、ニューサウスウェールズ州のパークス天文台(Parkes Observatory)の電波望遠鏡「Murriyang」をはじめとする同機構が所有・運用する望遠鏡を用いた地上局ダウンリンクサービスを提供する。
大面積のアンテナと先進的なデータ取得システムを備えたMurriyangは、長年にわたり米航空宇宙局(NASA)等の国際宇宙機関に宇宙機追跡サービスを提供してきた。
CSIROはパークスのほかにも、NASAのキャンベラ深宇宙通信施設(Canberra Deep Space Communication Complex)と欧州宇宙機関(European Space Agency)のニューノーシア(New Norcia)地上局を運用している。
CSIROの宇宙・天文部門(Space and Astronomy)を率いるダグラス・ボック(Douglas Bock)博士は、スペースX社との契約は大規模かつ複雑な宇宙機追跡・電波天文学施設の運用における同機構の経験を認めるものだと述べ、「宇宙ミッションへの地上局サービスの提供は、我々の望遠鏡を用いた天文学研究を補完し、その世界クラスの研究設備としての能力を維持することにつながる」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部