2023年03月
トップ  > 大洋州科学技術ニュース> 2023年03月

アプリで障害者らの交通機関の利用を支援 豪ラ・トローブ大学

オーストラリア(豪州)のラ・トローブ大学(La Trobe University)は2月24日、障害を持つ人々による自動運転シャトルバスの利用を支援するアプリをニュージーランドの企業HMIテクノロジーズ(HMI Technologies)と共同で開発し、同社のバス「Ohmio」で試験運用を行ったことを発表した。

この研究は輸送・交通に関する国家研究施設iMOVE CRCの助成を受け、豪州政府の支援の下で実施された。

研究者は障害者団体の連盟と協力して視覚障害や身体障害、知的障害を含むさまざまな障害を持つ31人の人々にアプリを提供し、使用体験を調べた。

研究を率いた同大学のエリック・ファン・ボルペン(Erik van Vulpen)氏は「乗客はこのアプリを用いて、確実にバスが停まるようにしたり、安全に乗車するために必要な時間ドアを開けておいたり、着席してから発車するようにしたりすることができる。こうしたことは将来の無人運転輸送にも、現在のシステムにも影響する」と語る。

同氏によると、今回の試験運用に対する参加者のフィードバックは良好であった。チームは今回の成果に基づいてアプリをさらに改良し、既存の公共交通サービスへの導入機会を検討するとともに、将来の自動運転車両での活用を目指す。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る