オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は2月28日、オーストラリア技術科学工学アカデミー(ATSE)と共同で、テクノロジーを活用して薬剤耐性(AMR)に立ち向かう方法をまとめた報告書『Curbing antimicrobial resistance: A technology-powered, human-driven approach to combating the 'silent pandemic'』を発表した。
微生物が薬剤への耐性を持つことを指すAMRは豪州や世界で拡大しており、「サイレントパンデミック」として危惧されている。
CSIROの薬剤耐性最小化ミッション(Minimising Antimicrobial Resistance Mission)を率いるブランウェン・モーガン(Branwen Morgan)氏は「世界ではAMRにより毎年127万人超が死亡している。豪州での死者数は、モデリングによると、毎年5,000人を超えている可能性がある。この報告書では、豪州が薬剤耐性菌への感染の予防・検出・診断を改善し、AMRの影響を軽減するための主な課題と機会を提示している」と語る。
この報告書は政府、学術機関、産業界の多数の分野にわたる100名以上の専門家の知見に基づき、以下のような新たなAMR対策技術の導入に向けた国家的な協調と、これらの技術の商用化の促進を訴えている。
報告書の表紙
薬剤の感受性試験
ATSE-CSIROによる文化の結合 © Zoe Cuthbert
(提供:いずれもCSIRO)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部