(提供:DISR)
オーストラリア産業・科学・資源省(Department of Industry, Science and Resources)は3月2日、豪州の最先端技術を結集した超小型人工衛星「Space Industry Responsive Intelligent Thermal(SpIRIT)」の詳細を公表した。
SpIRITは、メルボルン大学(University of Melbourne)が複数の豪州企業の共同事業体と共に開発した、1辺10センチメートルの立方体ユニット6個から成るキューブサット(CubeSat)で、重量は約11.5キログラム。この小さな衛星には、以下のような先端技術が搭載されている。
さらにSpIRITは、外国機関のペイロードを運ぶ豪州で初めての衛星として、イタリア宇宙機関(Italian Space Agency)の先端X線検出器「HERMES」を搭載する。HERMESは高エネルギーのガンマ線バーストの位置を特定する能力を持つ。
SpIRITは、米スペースX(SpaceX)のライドシェアミッション「Transporter-9」にて2023年後半に打ち上げられる予定。地球低軌道を2年間飛行し、搭載された豪州製技術の性能と耐久性を実証する。
プロジェクトを率いるミシェル・トレンティ(Michele Trenti)教授は「独自の要素の1つである強力な熱制御システムを用いて、軌道内で先端機器の温度を精密に維持する能力を実証する。この技術は、これまでは10倍の重さのより高価な宇宙機にしか搭載できなかったリモートセンシング装置を超小型衛星に搭載する機会を開く」と期待する。
同教授はさらに、「このようなプロジェクトは豪州の産業界を刺激し、大学と研究機関の連携による新製品の開発を促す」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部