オーストラリアのニューカッスル大学(University of Newcastle)は3月15日、個別化医療を含む治療や疾患管理に関する同大学の10件の研究プロジェクトが、豪政府の「Medical Research Future Fund」から合計1,760万豪ドルの研究助成金を授与されたと発表した。各プロジェクトの分野と概要は以下の通り。

慢性呼吸器疾患

• ぜんそくに対する「治療可能な特性(Treatable Traits)」を用いた個別化治療
• 肥満に関連する喘息に対する栄養療法と身体活動を用いた個別化管理

効果的な治療法

• 慢性疾患リスクの高い中年成人の血糖コントロールの改善を目的とした活動・睡眠パターンの改善

心血管系の健康

• 精神疾患を有する人々の身体的健康(心血管疾患の疾病負荷)の改善

臨床試験活動

• ICUのショック患者に対する血圧値目標の個別化
• デジタルツールを用いた喘息治療の変革

母性健康・健康的な生活習慣

• アボリジニ女性の妊娠中および妊娠後の禁煙を支援する協働開発プログラム
• 若者の電子たばこ使用の予防

臨床研究者:看護師・助産師・コメディカル(Allied Health)

• 地方における脳卒中リハビリテーションへのアクセスの改善

老化・高齢者介護

• 認知症患者とその介護者のアウトカムを改善するケア

ジー・アプトン(Zee Upton)研究・イノベーション担当副学長代理(Deputy Vice-Chancellor)は、「これらのプロジェクトは医療システムだけでなく、患者やその家族にもたらす成果も改善する」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部