オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は4月17日、中小企業(SME)によるサイバーセキュリティおよびデジタル技術関連の研究開発を支援する無料オンラインプログラム「Innovate to Grow」を6月に開始することを発表した。
CSIROは、サイバーセキュリティとデジタル技術に焦点を当てた無料のプログラムにより、企業の研究開発知識の向上を支援する
(出典:CSIRO)
このプログラムは10週間にわたって開講され、サイバー・デジタル技術に関するソリューションの開発に取り組む企業に対し、プロジェクトやアイデアを発展させるための知識やリソース、メンターによる助言を提供する。プログラムを修了した参加者は、CSIROによる継続的なサポートやマッチングファンド式の研究費助成(dollar-matched R&D funding)を利用できる可能性がある。
CSIROのData61部門ソフトウェア・計算システム主任硏究員リミン・チュー(Liming Zhu)博士は、「ジェネレーティブAIやChatGPTのような大規模言語モデルの登場により、デジタルやサイバーのイノベーションを取り巻く状況は急速に変化している」と語る。同博士は、このような技術は企業に新たな成長機会をもたらす一方で、サイバーセキュリティやデジタル上の信頼性(デジタルトラスト)に関するリスクも伴うと警告し、「我々はこうした問題に対するソリューションを構築する企業を支援する」と語った。
このプログラムはオーストラリア産業・科学・資源省(Department of Industry, Science and Resources)から出資を受けた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部