オーストラリア政府は4月13日、同国の量子部門における人材育成と共同研究の推進に向け、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)とシドニー量子アカデミー(SQA)に総額460万豪ドルの資金を授与することを発表した。

CSIROには次世代の量子技術専門家の誘致と育成を目的とした「オーストラリア量子大学院生プログラム(Australian Quantum Graduates Program)」を通じて360万豪ドルを助成する。CSIROはこれを基に量子技術分野の博士(PhD)約20名に研究資金を提供する。

シドニーの4つの大学の共同機関であるSQAには「国家量子コラボレーションイニシアティブ(National Quantum Collaboration Initiative)」の下で100万豪ドルを助成する。SQAは豪州全体にわたって量子に関する共同研究を加速する方法を探索し、得られた知見を政府に提供する。

これらのプログラムを発表したエド・ヒュージック(Ed Husic)産業・科学相は、「豪州は量子技術の研究開発の最先端に立っており、20年以上にわたってブレイクスルーに貢献してきた」と語り、今回の助成を通じて豪州が持つこのような基盤をさらに強化する考えを示した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部