2023年06月
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健康の鍵を握る腸内微生物叢の働き研究 豪州CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、人の体内の微生物叢(microbiome)の働きを解明し、長期的な健康の改善に役立てる方法を研究している。

人の体内には数百兆個もの微生物が存在し、各部位で固有の微生物叢を形成している。CSIROは「Hungry Microbiome」というプロジェクトで、「レジスタントスターチ(難消化性澱粉)」の摂取が健康にもたらす効果を研究している。これらの成分は腸内細菌の餌となり、酪酸等の腸内環境を改善する物質の産生を促すことが明らかになっている。また、微生物叢が「不満(unhappy)」な状態は、喘息、炎症性腸疾患、肥満等のさまざまな健康上の問題につながるという。

(出典:いずれもCSIRO)

CSIROはさらに以下のような研究にも取り組んでいる。

  • 離乳期に健全な腸内微生物叢を形成することが生涯の健康に及ぼす効果の研究
  • ストレス要因による変化に対する腸内微生物叢の回復力(resilience)を予測するモデルの開発
  • 腸内細菌の機能を解明するための「ミニ腸」(オルガノイド)の作製
  • 腸の動的な物理環境をシミュレートするコンピューターモデルの開発

CSIROは、微生物叢を満足させる方法として、新鮮な果物や野菜、全粒穀物を食べ、不健康な食生活や活動不足、アルコール、睡眠不足、抗生物質といったストレス要因を避けることを勧めている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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