2023年09月
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居住可能惑星の探索にAIを活用 豪シドニー大学

豪シドニー大学(University of Sydney)は8月2日、同大学の天文学者ピーター・タットヒル(Peter Tuthill)教授が率いる研究チームが、宇宙望遠鏡ミッション「TOLIMAN」において、シドニーの宇宙技術企業スパイラル・ブルー(Spiral Blue)と提携することを発表した。

TOLIMAN の宇宙望遠鏡から見たケンタウルス座のシミュレーション図
(出典:シドニー大学)

このミッションは、タットヒル教授らが開発中の新たなタイプの宇宙望遠鏡を用いて、太陽系から近い距離にあるケンタウルス座アルファ(Alpha Centauri)星系で生命が居住可能な惑星を見つけることを目的としている。

スパイラル・ブルー社は衛星に搭載するコンピューターシステム「Space Edge Computer」の開発を手掛け、2023年に豪州の企業として初めて、軌道上でエッジコンピューターを動作させることに成功している。また、このシステムは先進的な人工知能(AI)機能を搭載し、宇宙環境でリアルタイムのデータ処理・分析を実行できる。

今回の提携で同社は、TOLIMANの宇宙望遠鏡のデータ処理能力を向上させるためにSpace Edge ComputerとAI技術を提供する。これにより、衛星がとらえた画像を効率的に解析し、地上に送信するデータを削減することが可能になると期待される。

TOLIMANの宇宙望遠鏡は現在構築中であり、2024年の打ち上げを予定している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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