2023年09月
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豪州全土のデジタルテクノロジー産業クラスターを初めてマップ化 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、豪州におけるデジタルテクノロジーの産業クラスターを分析し、この産業の地理的密集度が非常に高いことを明らかにしたと発表した。7月31日付け。

産業クラスターは企業の成長やイノベーションを促進し、より多くの投資を呼び込む効果をもたらす。豪州にもシリコンバレーのようなテクノロジーの産業クラスターが存在することは認識されていたものの、これまで大きな関心を寄せられていなかった。

CSIROの研究チームはオーストラリアテクノロジー評議会(Tech Council of Australia)と共に、豪州全土の2,473の小地域(small-area statistical regions)におけるデジタルテクノロジー産業への特化度合いや同部門の上場企業の立地を調査し、結果を報告書(『The geography of Australia's digital industries』)にまとめた。

チームは、シドニー、メルボルン、ブリスベン、キャンベラの4都市それぞれに形成されたスーパークラスターのほか、60の州都(capital city)クラスターと36の地域ニッチクラスターを特定した。これらのクラスターはデジタルテクノロジー業界の働き手の55%を擁し、国家の成長の62%に貢献していた。また、沿岸地域にグラフィックデザイナーが密集する等、地方では、特定の専門分野に特化した小規模なクラスターが形成される傾向にあることも明らかになった。

報告書で特定されたオーストラリアのデジタルテクノロジー産業の4つのスーパークラスター
(出典:CSIRO)

これらのデータは特定のデジタルテクノロジー産業が自律的に成長している地域や成長しやすい地域を示しており、経済成長戦略を策定する政策立案者に有用な情報を提供すると考えられている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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