2023年09月
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使用済みタイヤのクリーンなリサイクル方法を研究 オーストラリア

オーストラリアのディーキン大学(Deakin University)は、ジーロング市の企業クリーン・エナジー・リソーシズ(Clean Energy Resources:CER)を、使用済みタイヤのリサイクルに関する研究パートナーとして正式に迎えることを発表した。8月24日付け。この研究は、同大学が連邦政府の助成を受けて運営するプロジェクト「Recycling and Clean Energy Commercialisation Hub:REACH)」の一環。

豪州国内の使用済みタイヤのリサイクル率はわずか16%であり、約3分の2が埋立処分、集積(stockpiled)、不法投棄等の過程をたどっている。ディーキン大学の研究者アッバス・コウザニ(Abbas Kouzani)教授が率いる学際研究チームは、ソーラーパネルのリサイクルプラントの構築経験を活かし、タイヤを水素、電気、その他の再使用資源に変換する技術をCER社と共に研究する。

使用済みタイヤのリサイクルは世界各国で行われているが、今回のプロジェクトの独自性は、有害物質を排出しないリサイクル方法を焦点とすることにある。すなわち、ごみ問題の解決と、環境に害を与えないエネルギー生成という2つの課題に取り組むこととなる。

コウザニ教授は、「この分野のイノベーションは、直ちに世界的な影響を及ぼし、切迫した環境汚染問題の解決に役立つ可能性を秘めている」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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