オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は9月15日、豪州国内における「持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable aviation fuel)」産業の発展に関して、以下のような見解を発表した。
航空機による二酸化炭素(CO2)排出量は世界全体の排出量の2~3%を占めている ©Stefan Hajkowicz, CSIRO
(出典:CSIRO)
航空機の利用は2050年までに倍増すると予想されており、それに伴う二酸化炭素(CO2)排出量の急増が懸念される。CSIROの「Towards Net Zero(TNZ)」ミッションでは、航空業界の脱炭素化を促進するため、SAF産業発展の支援へ豪州独自の取り組みを行っている。
豪州のSAF産業にとって重要な要素には以下の5つがある。
豪州は既にバイオマスを大量に生産し、SAF原料として欧州に輸出している。その一方で液体燃料の大部分を輸入に頼っており、燃料の国内生産を強化することで、地政学的な要因や気候によるサプライチェーン上のリスクを軽減できる可能性がある。
さらに、SAFのコストや土地利用の課題に対応するには、以下のような食料以外の原料を開発することも重要である。
SAFは豪州が2050年までのネットゼロという目標を達成するうえで重要な役割を果たし、地域の雇用創出や燃料の安全保障、生物多様性、農家への収入のゆとりをもたらすことにつながる。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部