オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、STEM(科学・技術・工学・数学)分野で将来を追求するアボリジニおよびトレス海峡諸島民の学生への奨学金として、「CSIRO先住民STEM奨学金(Indigenous STEM Scholarship)」プログラムの下で、ウーロンゴン大学(UOW)に50万豪ドルの資金を授与することを発表した。9月26日付。
「CSIRO先住民STEM奨学金」が供与される
© Paul Jones (出典:CSIRO)
同プログラムは2019年にCSIROから3万豪ドルの出資を受けて設立された。今回の新たな出資により、奨学金が今後永続的に提供されることとなった。今回の奨学金は、UOWのフルタイムのSTEM学位取得過程に在籍する先住民学生を対象に、修学期間を通じて1人当たり年間5,000豪ドルを提供する。
CSIROの先住民科学・エンゲージメント(Indigenous Science and Engagement)部門を率いる、カミラロイ族(Gamillaroi)出身のクリス・バーク(Chris Bourke)博士は、「先住民のSTEM教育パイプライン(STEM pipeline)の構築により、科学技術部門が先住民の人材と関わり、その知識や専門技能を組み入れ、アボリジニおよびトレス海峡諸島民の科学・研究におけるキャリア形成を促すことができるだろう」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部