オーストラリアと米国の両政府は、米ワシントンで、米国企業による豪州からの宇宙打ち上げ活動に関する条約レベルの合意「技術保護協定(Technology Safeguards Agreement:TSA)」を締結した。10月26日付。

(出典：豪政府)

TSAは、米国企業による豪州での打ち上げ活動を可能にしながら、ロケットや衛星を含む米国の機密技術を保護するための法的・技術的枠組みを提供することを目的としている。

豪州のアルバニージー首相と米国のバイデン大統領は共同声明の中で、「TSAへの署名は宇宙関連の商業機会の新たな可能性を創出する」と表明した。

豪州宇宙庁(Australian Space Agency)のエンリコ・パレルモ(Enrico Palermo)長官は今回の合意を重要なマイルストーンであるとし、「TSAは地理的条件やさまざまな軌道へのアクセスといった利点に加え、打ち上げ地としての豪州の魅力をさらに増大させるだろう」と語った。

この協定により、既に豪州で宇宙機の打ち上げや帰還を行っている他国のパートナーと米国が同等の立場に置かれることとなる。両国政府は、豪州宇宙庁の主導の下でTSAの枠組みに関する交渉を継続する。豪州国内の最終的な条約作成プロセスに従い、2024年中に施行される見込み。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部