オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、豪州の中小企業(SME)の研究開発(R&D)を支援する同機構の「キックスタート(Kick-Start)」プログラムへの応募要件を緩和し、より幅広い企業を対象とすることを発表した。10月31日付。
CSIRO の「キックスタートプログラム」は、中小企業を研究専門知識と結びつけ、社内の研究開発部門として機能する
(出典:CSIRO)
応募資格の1つである年間売上高(turnover)の要件を、これまでの最大150万豪ドルから最大1,000万豪ドルへと大幅に緩和する。
同プログラムはR&Dプロジェクトに取り組む豪州のSMEを対象に、専門家による支援やマッチングファンド式の研究費助成(dollar-matched funding)を提供している。2017年に開始されて以来、260件を超えるプロジェクトを支援し、R&D活動において約2,400万豪ドルを貢献している。
2023年9月にCSIROの最高責任者に就任したダグ・ヒルトン(Doug Hilton)博士は、「応募資格の拡大により、さらに多くの豪州の企業やイノベーター、起業家に、成功に必要なリソースや知識、支援を提供できるようになる」と語った。
キックスタートプログラムの下で人工知能(AI)を用いた画期的な歯科X線画像解析技術を開発したシドニーの企業アイズ・オブ・AI(Eyes of AI)の共同設立者セン・リ(Sen Le)博士は、「この分野の世界的リーダーであるCSIROのData61チームのAI・イメージングに関する専門知識を活用できることは光栄であり、当社にとって素晴らしい発展である」と、同プログラムを称賛するコメントを寄せた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部