2024年01月
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最先端のクリーン水素充填ステーションを開設 豪州

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)とスウィンバーン工科大学(Swinburne University of Technology)は、豪ビクトリア州クレイトン(Clayton)のCSIROの施設内に、水素技術の研究と実証を目的とした最先端のクリーン水素充填ステーションを開設した。

最先端のクリーン水素充填ステーション=豪ビクトリア州クレイトン

この水素ステーションは、CSIROなどが参加し、ビクトリア州政府の出資を受ける同大学主導の水素研究拠点プロジェクト「Victorian Hydrogen Hub (VH2)」の下で、250万豪ドルを投資して設置された。再生可能エネルギーを用いて生産したグリーン水素を水素自動車に供給し、満充填した場合、二酸化炭素(CO2)を排出せずに600 km以上走行することを可能にする。輸送部門における水素の有用性を実証し、豪州の国際的競争力の維持に向けて新たな水素技術の検証や水素ステーションの利用に関する次世代教育を行うことを目的としている。

満充填すれば、600 km以上走行することが可能
(出典:いずれもCSIRO)

商業的に実現可能な豪州の水素産業の研究・開発を通じて国内外の脱炭素化を支援するCSIROの「水素産業ミッション(Hydrogen Industry Mission)」においても、このステーションは重要な要素となる。CSIROの最高責任者であるダグ・ヒルトン(Doug Hilton)博士は、水素は豪州のエネルギー移行と道路輸送部門の脱炭素化において重要な役割を果たす技術であると強調し、「未来の燃料としての水素への認識はますます高まっている」と語った。

(2023年11月23日付発表)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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