2024年04月
トップ  > 大洋州科学技術ニュース> 2024年04月

ベトナムのクリーンエネルギー転換に関する課題を専門家らと議論 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は3月4日、ベトナム・ハノイで「先進的低排出電力システムへの移行を加速する(Accelerating Transitions to Advanced Low Emission Power Systems)」と題した地域ワークショップを開催したことを発表した。

ハノイのワークショップの参加者
(出典:CSIRO)

このワークショップは、電力システムの変革における豪州の経験を東南アジア諸国連合(ASEAN)と共有するためにCSIROが行っているさまざまな取り組みの一環となる。

ベトナム政府は2023年5月に石炭依存の軽減や風力・ガスエネルギーの推進などに向けた「第8次国家電源開発計画(Power Development Plan VIII)」を発表し、エネルギー計画を拡大している。CSIROのエネルギー戦略リーダー(Energy Strategy Leader)であるクリス・ダンスタン(Chris Dunstan)氏は、ベトナムでは風力・太陽光・水力などの再生可能エネルギーの供給が急速に成長していると語る。

このワークショップはCSIROと豪政府の「Partnerships for Infrastructure(P4I)」イニシアティブの共催により実施された。電力システムのクリーン化を目指す国際共同体「Global Power System Transformation (G-PST) Consortium」の研究者7名とベトナムの専門家約40名が参加し、系統の編成(grid organisation)、配電網、インバーターに基づく電源(inverter-based resources)、システム運用など、ベトナムの再エネ発電の割合を増加させるための課題や機会、優先事項を探索した。

クリス氏は「系統インフラや規制枠組み、地域社会の関与を通じて再生可能エネルギーや脱炭素化への移行を加速する方法に関する知識や経験を、ベトナムの専門家と共有でき嬉しく思う」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る