オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は3月27日、医療分野において人工知能(AI)の利用が急激に拡大していることを明らかにした最新の報告書『AI Trends for Healthcare』を発表した。
オーストラリアeヘルス研究センター(AEHRC)所長のデービッド・ハンセン(David Hansen)博士
同報告書によると、このような状況は医療部門におけるデジタルデータ量の急増、計算能力の向上、さまざまなAIツールの登場が重なって生じたものである。
CSIRO傘下のオーストラリアeヘルス研究センター(AEHRC)の所長(Research Director)を務めるデービッド・ハンセン(David Hansen)博士は、医療におけるAIの利用は、モデルの正確性が生死や病気の有無を左右しうる点で独特であると述べ、「AIの利益を活用するためのデジタルツールの開発においては、安全性・質・モニタリングに関する確立されたガイドラインに加え、枠組みと倫理的な実装(implementation)が不可欠である」と指摘する。
同報告書ではさらに、豪州の医療部門へのAIの導入に伴う以下のような機会や課題について論じている。
ハンセン博士は「我々は医療において普通ではない(extraordinary)時代を迎えようとしている。注意、思慮、安全をもってすれば、医療へのAIの導入は、医療従事者の職業生活と消費者の心身の健康を劇的に改善する機会になる」と語った。
(出典:いずれもCSIRO)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部