2024年04月
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医療におけるAI時代の到来、最新報告書を発表 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は3月27日、医療分野において人工知能(AI)の利用が急激に拡大していることを明らかにした最新の報告書『AI Trends for Healthcare』を発表した。

オーストラリアeヘルス研究センター(AEHRC)所長のデービッド・ハンセン(David Hansen)博士

同報告書によると、このような状況は医療部門におけるデジタルデータ量の急増、計算能力の向上、さまざまなAIツールの登場が重なって生じたものである。

CSIRO傘下のオーストラリアeヘルス研究センター(AEHRC)の所長(Research Director)を務めるデービッド・ハンセン(David Hansen)博士は、医療におけるAIの利用は、モデルの正確性が生死や病気の有無を左右しうる点で独特であると述べ、「AIの利益を活用するためのデジタルツールの開発においては、安全性・質・モニタリングに関する確立されたガイドラインに加え、枠組みと倫理的な実装(implementation)が不可欠である」と指摘する。

同報告書ではさらに、豪州の医療部門へのAIの導入に伴う以下のような機会や課題について論じている。

  • 豪州で急速に普及している電子医療記録(EMR)やその他の臨床システムが、画像検査、診断、治療などの分野におけるAI技術の導入に向けた基盤を作る。一方で、データのプライバシーやセキュリティが大きな課題となる。
  • 医学研究機関はデータ活用のための基盤に投資しており、医学研究は医療のデジタル化とAIアルゴリズムの活用における「勝者」になると見込まれる。
  • 高齢者や障がいのある人のケアも、AIにより強化されたサポートや見守りによる大きな恩恵を得られる。

ハンセン博士は「我々は医療において普通ではない(extraordinary)時代を迎えようとしている。注意、思慮、安全をもってすれば、医療へのAIの導入は、医療従事者の職業生活と消費者の心身の健康を劇的に改善する機会になる」と語った。

(出典:いずれもCSIRO)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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