オーストラリアのシドニー大学(University of Sydney)は4月29日、豪連邦政府から1,840万豪ドルの助成を受け、量子産業の国家的拠点施設「Quantum Australia」を設立すると発表した。
エド・ヒュージック産業・科学担当相(左)とシドニー大学の研究者
Photo: Fiona Wolf/University of Sydney
(出典:シドニー大学)
豪州はインパクトの高い量子研究と量子コンピューティングの特許に関して常に世界の上位5カ国に入り、世界でも最大規模の量子人材を擁している。連邦政府は「国家量子戦略(National Quantum Strategy)」に基づき、同国の量子産業の成長に向けた拠点を設立する事業を公募していた。
Quantum Australiaでは、豪州の量子産業・エコシステムの成長を促進することを目的に、以下のような活動を行う。
同施設の設立においては、シドニー大学とマッコーリー大学(Macquarie University)、ニューサウスウェールズ大学(UNSW)、シドニー工科大学(University of Technology Sydney)の共同機関「シドニー量子アカデミー(SQA)」も重要な役割を果たしている。
設立に向けた共同事業体を率いるシドニー大学の量子情報理論専門家スティーブン・バートレット(Stephen Bartlett)教授は、「Quantum Australiaは、科学を深め、起業家支援を形成し、量子人材を育成し、公平で倫理的なエコシステムを確立することなどにより、量子の未来の形成を促す」と語っている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部