2024年07月
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ロボットの作業を効率化するソフトウェアを開発 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は6月16日、同機構の研究者らがロボットによる修理作業や保守作業を効率的に行うためのソフトウェア「Continuous3D」を開発し、商用化を目指していることを発表した。

ロボットに作業を行わせるにはあらかじめプログラムが必要となる。修理・保守作業では実行する作業の内容がその都度全く異なることもあり、ロボットのプログラミングに多大な時間を要する。

CSIROでロボット製造を研究するピーター・キング(Peter King)博士らが開発したContinuous3Dを使用すると、ロボットは自ら環境を精査・理解し、非構造化環境(unstructured environments)での動作や機械の修理等の作業を実行することができる。また、肉体労働や危険な作業をロボットに任せられるようになり、生産性や安全性が向上する。

Continuous3Dを率いるピーター・キング(Peter King)博士
© Nick Pitsas (出典:CSIRO)

ピーター博士らは当初、研究室での作業の効率化のためにこのソフトウェアを開発したが、他の業界や分野も同様の問題を抱えていることに気づき、商用化に乗り出した。チームは研究者による起業を支援するCSIROのプログラム「ON Prime」と「ON Accelerate」に参加し、業界関係者との対話やオンライン学習、コーチングを通じて、ビジネスモデルの明確化や起業に必要なスキルの向上に取り組んだ。

ピーター博士らは現在、スタートアップとしての資金調達を目指し、投資家にこの技術をアピールしている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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