2024年09月
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AIソリューション開発競争プログラム「AI Sprint」の受賞者決定 豪政府

オーストラリアの国立AIセンター(NAIC)は7月24日、AIソリューションの開発と商用化を支援する競争形式プログラム「AI Sprint」が終了し、受賞者が決定したことを発表した。

(出典:豪政府)

同プログラムは豪州のAI産業の発展を目的として、NAICと豪州最大のイノベーションコミュニティであるストーン・アンド・チョーク(Stone & Chalk)、グーグル・クラウド(Google Cloud)が共同で開催したもので、今回が第1回であった。

第1段階にはサプライチェーンやガバナンス、生活費、健康と環境、人材に関する国家的課題の解決を目的としたAIソリューションの実用最小限の製品(MVP)を開発したスタートアップや起業家が参加し、そのうち190社が試作品を開発する第2段階へと進んだ。業界関係者への試作品の発表の結果、革新的で責任ある競争力の高いAIビジネスを市場で規模拡大する能力が最も明確な企業として、以下の3社が選ばれた。各社が開発したソリューションの概要は以下の通り。

  • ドラゴンフライ・シンキング(Dragonfly Thinking):「Risk, Reward, and Resilience(RRR)」(同社の登録商標)フレームワークを用いて問題の全体論的な理解や先見の明ある行動を促し、複雑な意思決定を支援するツール
  • カインドシップ(Kindship):豪州の国家障害者保険制度(National Disability Insurance Scheme)の利用を支援するため、予算やサービス提供者・治療法の選択に関するガイダンスやサポートを常時提供するAIシステム
  • エンパセティックAI(Empathetic AI):豪税務局(ATO)の法務データベースの最新情報に基づき、税関連の質問への回答や関連する法律・判例を提供する、税の専門家向けコパイロット

優勝者のドラゴンフライ・シンキング社には最大30万豪ドル相当、カインドシップ社とエンパセティックAI社には最大10万豪ドル相当の研究開発資金が授与される。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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