オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は8月8日、豪政府のベトナム技術革新支援プログラム「Aus4Innovation」の助成制度「Partnership Grants」の下で、豪州・ベトナム共同の研究プロジェクト3件に145万豪ドルの助成金が授与されることを発表した。
これらのプロジェクトは、ハイテクソリューションを活用してベトナムの現代農業における課題に対処する。各プロジェクトの概要は以下の通り。
- ベトナムの小規模農家と政府意思決定者による作物モニタリングと情報へのアクセスの改善:
豪サザンクイーンズランド大学(University of Southern Queensland)とベトナム国家宇宙センター(Vietnam National Space Center)の共同プロジェクト。地理空間技術を利用し、生産性の向上を目的として作物に関する重要な情報を提供する。
- タインホア省の持続可能な農業に向けたAIとデジタルツインを用いた積極的(proactive)カーボンファーミング:
豪グリフィス大学(Griffith University)とベトナム・ハノイ工科大学(Hanoi University of Science and Technology)の共同プロジェクト。温室効果ガス排出の定量化とカーボンファーミングの強化を通じて、持続可能な農業慣行とカーボンクレジットを通じた収益機会の創出に貢献することを目的としたAI駆動プラットフォームを開発する。
- 持続可能な農業のAIを用いた認定とトレーサビリティを通じた小規模農家のエンパワリング:
グリフィス大学とベトナム政府規格・計量・品質総局(Commission for Standards, Metrology and Quality)の共同プロジェクト。効果的な農場モニタリングと生産物のトレーサビリティを実現するAI・デジタル化システムを通じて農業の基準を向上することを目指す。
Aus4Innovationはベトナムのイノベーションシステムの強化を目的とした10年間(2018~28年)にわたる3350万豪ドルのプログラムであり、CSIROが運用している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部