2024年10月
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国立AIセンター、責任あるAI慣行の実践に関する報告書を発表 豪政府

(出典:豪政府)

オーストラリア産業・科学・資源省(Department of Industry, Science and Resources)は9月5日、傘下の国立AIセンター(NAIC)が豪市場調査会社フィフスクアドラント(Fifth Quadrant)と共同で、豪州の組織による責任あるAI慣行(responsible AI practices)の実践状況を評価した報告書「Responsible AI Index 2024」を発表したことを伝えた。

この報告書は、組織のAI戦略に関する意思決定を担う上級管理者ら413人を対象に実施した調査の結果をまとめている。業種は建設、金融、政府、健康、教育、通信、小売、ホスピタリティ、公益事業、運輸など広範にわたる。

報告書で述べられている知見には以下のようなものがある。

  • 大部分の組織は自組織のAIシステムは豪政府の「AI倫理原則(AI Ethics Principles)」と調和していると考えているが、その達成に必要な慣行を実践している組織の割合は3分の1未満であり、認識と実践の隔たりがみられた。
  • 責任あるAI慣行の実践が進んでいる組織ほど、ビジネスリーダー(CEO、役員、オーナー)がAI戦略を推進し、戦略的な監視と説明責任の確立に取り組んでいる割合が高い。これらの組織は、責任あるAI慣行がもたらす競争上の利益(評判、イノベーション、業務効率化、人材獲得など)をより正しく理解している。
  • AI標準と「AI倫理原則」は大きな影響力を持つ。中小企業は、責任あるAI慣行を採用するためにより多くの支援を必要としている。

豪州政府は、豪州の企業によるAIの安全かつ責任ある導入を支援するための標準と指針の策定に取り組んでおり、NAICは最近、責任あるAIの開発・導入のベストプラクティスを示す「自主的AI安全基準(Voluntary AI Safety Standard)」を発表している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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