オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は9月26日、QUAD(日米豪印)4カ国の共同研究支援プログラム「Advancing Innovations for Empowering NextGen Agriculture(AI-ENGAGE)」の下で助成を受ける研究の公募を開始したことを発表した。
AI-ENGAGEは、生産性、持続可能性、レジリエンスを強化するため農業従事者を支援する
(出典:CSIRO)
このプログラムでは、農業アプローチの変革を支援し、インド太平洋地域の農業従事者による収量の増加やレジリエンスの強化を促す、人工知能(AI)、センサー、ロボティクスなどの分野の最先端の研究の提案書を募集する。研究チームは、QUAD 4カ国のうち3カ国以上の研究者を含む必要がある。
世界人口は2050年までに推定97億人へと増加し、これに伴い食料需要の増大や土地・水資源の逼迫がより深刻化すると予想されている。インド太平洋地域はこのような変化の影響を強く受けると考えられ、意味のある解決策が必要とされている。
AI-ENGAGEはQUAD 4カ国間およびより広範なインド太平洋地域にわたる研究協力を強化し、重要技術の研究による影響を向上させ、各国の農業部門の成長を促すことを目的としている。
CSIROは米国国立科学財団(NSF)、日本の国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)、インド農業研究委員会(ICAR)と協力してAI-ENGAGEを実施する。このプログラムは、2023年5月のQUAD首脳共同声明で示された、「農業におけるイノベーションを推進するための共同研究を支持する」という意思表明を実行に移すものとなる。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部