ニュージーランド宇宙庁(New Zealand Space Agency)と英国宇宙庁(UK Space Agency)は、10月14~18日にイタリア・ミラノで開催された国際宇宙会議(IAC)において、スペースデブリとなった軌道上の衛星の除去と、衛星への軌道上サービス(in-orbit servicing:IOS)での協力に関する取り決めを締結した。ニュージーランド政府ビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)が10月21日に発表した。
2024年10月にミラノで開催されたIAC 2024で取り決めが締結された
(出典:MBIE)
この取り決めは、急成長分野である軌道上サービスやデブリ除去、衛星への燃料補給といった「ランデブー・近接運用」を行うミッションを支援することを目的としている。これらのミッションは地球周回軌道の安全性を保ち、衛星の寿命を延ばして持続可能性を向上させることにつながる。しかし、新しい分野であり、宇宙機を他の宇宙機に接近させる行為を伴う複雑な活動であることから、特に打ち上げや運用に複数の国が関わっている場合は、国際的なルールや方針の適用が難しい。
今回の取り決めは、複数の国が関わる積極的デブリ除去(active debris removal)やIOSのミッションに関する法律・政策・規制上の障壁を減らすための原則や方針を確立し、ニュージーランドと英国がこれらのミッションを共同で実施する方法を説明している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部