2024年12月
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AMSLエアロ社、政府ベンチャー投資活用でゼロ排出電動VTOLを開発 豪政府

オーストラリア産業・科学・資源省(Department of Industry, Science and Resources)は10月29日、シドニーに拠点を置く企業AMSLエアロ(AMSL Aero)が豪政府のベンチャー投資支援プログラムの下でベンチャーキャピタル(VC)の出資を受け、高効率かつゼロ排出の画期的な電動垂直離着陸機(VTOL)「Vertiia」を開発していると伝えた。

Vertiia のプロトタイプとAMSLエアロ社の創業者ら
Credit: Peter Morris/sydneyheads.com (出典:豪政府)

Vertiiaはヘリコプターのように離陸した後、飛行機のように効率的に飛行する。従来の航空機と比較して使用する部品が少なく、水素燃料とバッテリーを動力源とするため二酸化炭素を排出せずに飛行できる。

IPグループオーストラリア(IP Group Australia)はAMSLエアロ社のゼロ排出への取り組みに関心を寄せ、豪政府の「Venture Capital Limited Partnerships(VCLP)」プログラムを活用して、2019年より継続的に出資している。このプログラムは、商用化の初期段階にある豪州のスタートアップに投資するVCに税制優遇を提供するものであり、産業・科学・資源省とオーストラリア税務局(Australian Taxation Office)が共同で運営している。

AMSLエアロ社は2023年にVertiiaの初めての係留(tethered)飛行試験を実施し、現在も試験飛行プログラムを継続しながら、豪州の民間航空の安全基準に基づく認証の取得準備を進めている。Vertiiaの最初の民間利用としては、医療搬送や、豪州の地方部や遠隔地への必要不可欠なサービスの提供が計画されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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