オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、豪州のバイオプラスチックの現状をまとめた同機構の報告書『State of bioplastics in Australia』に基づき、使用後のバイオプラスチックの適切な処理が課題となっていることを伝えた。
プラスチックによる温室効果ガス排出や環境汚染が問題となるなか、バイオプラスチックは、より持続可能なプラスチック代替技術として生産が拡大している。バイオプラスチックにはさまざまな種類があるが、多くは生分解・堆肥化が可能で、従来のプラスチックよりも炭素排出量が少ない。
しかし、同報告書によると、豪州にはバイオプラスチックの標準化されたラベル表示がないため、消費者がその材料の種類や適切な処理方法を正しく理解することは困難となっている。結果として、多くのバイオプラスチックが、使用後は埋め立てごみとして処理されたり、リサイクル・堆肥化される過程で汚染を引き起こしたりしている。
CSIROのEnding Plastic Wasteミッションを率いるデボラ・ラウ(Deborah Lau)博士は「バイオプラスチックはより広範なプラスチック廃棄物システムの中で設計し、考慮される必要がある」と語る。また博士は、「豪州で生産される主なバイオプラスチックには既存の廃棄物収集システムでは対応できないものがあるため、バイオプラスチックを処理するための能力とインフラを開発する必要がある」とも指摘している。
(出典:CSIRO)
(2024年12月5日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部