オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は1月30日、人間のデジタルツインを作成する技術が、さまざまな分野で活用され始めていることを伝えた。
現実世界のものを仮想空間に複製するデジタルツイン技術は、既に分子からインフラ設備、さらには惑星全体にいたるまで、あらゆるもののシミュレーションに活用されている。最近では個々の人物のデジタルツイン("デジタルドッペルゲンガー")を作成することも可能になっている。
人間のデジタルツインの有望な用途には以下のようなものがある。
デジタルドッペルゲンガーは労働災害の防止に役立つ
(出典:CSIRO)
一方で、この技術にはリスクも伴う。人間のデジタルツインを作成するには、映像や音声、生体情報を含む個人データの収集が必要であり、著作権の侵害やディープフェイク、個人情報窃盗、オンライン詐欺といった問題の発生につながる可能性がある。私たちがデジタルツインと幸せに共存する未来を実現するには、政府や技術開発者、エンドユーザーが、同意の取得、倫理的なデータ管理、悪用の可能性といった問題について真剣に考える必要がある。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部