オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は3月26日、シンガポール政府と連携し、海運分野の炭素排出量削減を目標とした20万豪ドルの計画「低排出技術に関する豪州・シンガポール共同イニシアティブ(Australia-Singapore Initiative on Low Emissions Technologies:ASLET)」の一環として、8件の研究プロジェクトに資金援助を行うと発表した。
ASLETはシンガポール・オーストラリア・グリーン・デジタル海運回廊(GDSC)を支援するもので、豪・シンガポール間の海上輸送の脱炭素化とデジタル化を推進している。GDSCは、オーストラリアの国立科学機関であるCSIROと、シンガポール海事港湾庁(MPA)が両政府を代表して共同運営している。
ASLET助成金は2024年7月に創設され、海運および港湾事業におけるゼロまたはほぼゼロ排出の温室効果ガス(GHG)技術の普及を目的としている。今回は、オーストラリアとシンガポールの大学、研究機関、企業から応募された32件の中から選ばれた8件が助成対象となった。選ばれたプロジェクトは、水素・アンモニア・メタノールの供給、輸送、貯蔵、分配、海上利用に関する革新的な技術、安全・環境モニタリング、港湾・船舶の電化など、多岐にわたる分野をカバーしている。
これらのプロジェクトには共同出資も集まっており、今後2年以内に完了する予定だ。各プロジェクトの詳細はCSRIOとMPAのウェブサイトで紹介されている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部